異文化コミュニケーション

日タイ交流大使(自称)

【台湾熱その6】揉まぬなら こねくり回せ ホトトギス

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街を歩いていると白髪のおばさんに話しかけられた。

 
おばさん
「おにーさん。どこ行くの?」


「え、マッサージ。」

おばさん
「いいお店知ってるね。」


「なにこれ?ポン引き?」

おばさん
「ポン引きじゃないよ!」


「・・・」
一喝された。

「また今度」と陽気に言い残すと僕は目的地のタイマッサージ屋さんに急いだ。

入り口には日本の芸能人らしき人の写真がでかでかと飾ってある。

はて、誰であろうか。そんな謎を残しながら店内に入った。カウンターでメニューを選択したら、おばさんが後ろの扉から出てきた。

椅子に座らされておばさんが徐に僕の足を洗う。

「おばさんタイ人?」

「台湾人」

「・・・」

僕の頬にトゲがチクリと刺さる。

おばさんは生後三か月の像を無理やり直立させて二足歩行させた雰囲気だ。

本人いわくタイマッサージは得意らしい。

そんなこんなでマッサージが始まると執拗に僕の左足を攻めてくる。「右足は!?右足はどうなの!!?」そんな風に僕をすごく不安にさせるんだ。

たまに子像おばさんが僕の局部にちょんちょんする。そのたび緊張が走り筋肉がこわばる。

「ここはマッサージの名を借りた風俗か。いや、そんなはずはない。それにしてもこのおばさんと!!?子象と!!?ねぇどうなのそこんとこ!!?」僕の脳がそんな憶測をあわただしく弾きだしてはかき消していた。

結局、たまにちょんちょんされるだけで何もなかった。マッサージが終わって顔をあげた。おばさんはすごく満ち満ちた表情をしていた。

僕は何に成り代わって何を救ったのだろうか。未来は明るいのだろうか。

疾しさの向こう側におばさんは何を見たのだろうか。

罪悪感というのは人間が定めた言葉であり、その心底に湧いてくる何かは、化学物質が脳に伝達する信号であって、特に言葉自体に意味はない。

脳がその化学物質が齎す感覚を欲して、五感を通してその条件を作り出し、観測する。

僕はその密閉された空間の中で、その雌の個体がエキサイトメントから罪悪感と変る化学物質を分泌させるための大事な1ピースだったわけだ。

うまくその大役を担えたのだろうか。

帰りに行った高級ホテルのレストランで少年と友情を芽生えさせた。

レストランの真ん中で年老いた欧米人が歌う名曲の数々は素晴らしかった。今日を観測した僕の世界は何色だろうか。